榊 記彌栄のライブ見聞録

箏曲家 榊記彌栄の情報です。

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ライブ楽座での榊記彌栄・隔月開催定例ライブ、今回は9月12日、箏VSフラメンコ、ゲストアーティストに、Baile/大江貴世子、Cante/藤井 祥子、Guitarra/天野 利紀を迎え、「夢遊病のロマンス」と題して行われた。

第一部は、タイトルともなったスペインの詩人、ガルシア・ロルカの詩、「夢遊病のロマンス」の一節、「verde que te quiero verde(緑よぼくの好きな緑)…」の朗読から、タンゴ(バストンという杖を使った踊り)で幕を開けた。続いて榊の箏ソロで「曼珠沙華(まんじゅしゃか)」(沢井忠夫作曲)の演奏。先のフラメンコの「情熱」と日本の「情念」を対比的にぶつけた。一部の終わりはフラメンコ、「ティエント」をベースに、榊の即興演奏が介入するセッション。

第二部は、藤井 祥子のカンテ(歌)による難易度の高い「セビジャーナス」の後、石丸良道のフルートによるピアソラの瞑想的な小曲が導入役を果たし、今回のメイン作品、「鳥のように」(沢井忠夫作曲)が始まった。箏曲をベースに今度はフラメンコが介入するという構成。フラメンコとは決定的に違うこの曲のリズムに、大江貴世子のバイレ(踊り)が挑戦、そしてまさに「鳥のように」空を飛んでいった。そしてラストは榊のソロで、自作の「風が」と「荒城の月」をリミックスさせ、それまでの熱を冷ますかのように繊細な音の肌理をみせ終演。

ライブは、構成的とまではいかないが、あるイメージの連想によって運ばれる流れにそって個々のパートが継起した。そしてカンテ、藤井祥子の声の存在感、ギター天野利紀の芯のある演奏が印象的にアクセントを与え、全体にドラマティックで、「強度」のあるものとなった。

フラメンコと箏曲の出会い…単なる予定調和的な融合でなくて、私たちが最近よく口にしている「Trans World Music」ということ。
「Trans World Music」とは、世界の各地域、各民族におけるジャンルを超えた多様な音楽家また音楽表現が、ある表現の現場で出会い、状況を共有し互いを露出(*Exposure)することで生まれる新しい関係性のもとに創造される音楽、またその交流や協働する表現スタイル総体を言うが、今回のライブはまさにそれだった。
[*Exposure] 露出する。人目にさらす。暴露する。→ある状況の中へ身をさらす行為。

最後に、今回の「鳥のように」フラメンコ・バージョンは、今後さらに洗練と密度が加われば、世界に通用する作品になるのではないかという予感を付け加えよう。
(石丸良道・記)

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