榊 記彌栄のライブ見聞録

箏曲家 榊記彌栄の情報です。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
広島市都心~ライブ文化形成について
(ライブハウス・インストアライブ)

報告者:石丸良道(NPO法人セトラひろしま副理事長)

広島市都心エリアでのライブ文化形成において、エリア内のライブハウスやショップ、ストアで行なわれるライブ(インストアライブ)の動向は、重要な影響をもってくるものと思われる。
広島ライブ文化の発信を描く前に、我々はここで、今、果たして広島で、アーティストが「食える」状況があるのか?彼らが自らの表現によって対価を稼ぎ、生活を保障できる状況があるのか?さらに言えば、「業としての文化」、産業としての文化のあり様が、この一地方都市で可能かという問題を問いたい。広島が文化でメシが食えるようになるにはどのような「明日の文化」を描いたらよいのか。

■インストアライブの現状
広島市都心部において、インストアライブは、近年それなりに頻繁に行なわれるようになったといえる。パブ、バー、ホテル、デパート、ショールーム、洋風居酒屋、レストラン、カフェ、音楽喫茶、カルチャー教室、画廊、ケーキ屋さん、ビアホール、美容室、郵便局、小売店、神社、楽器店等の場所で、内容は、各場所のテイストや雰囲気に合わせ工夫された企画が多く、ライブハウスとは一味違った魅力がある。ジャンル的には大音量で機材準備が必要となるロック系のバンド演奏が少なく、代わって歌やアコースティックな楽器を使用した、クラシック、ジャズ、ワールドミュージック、フォーク、邦楽といったジャンルが多く、ライブハウスと住み分けができているように思える。
ライブは定期的、不定期に開催されているが、定期的なシリーズ展開は少ない。しかもアーティストからの持込企画も多く、ショップやストア側が主催・企画しているケースが少ない。アーティストはここででもチケットの販売に頭を悩ますことになり、長続きがしない企画が多くなる。この点、単にお店の雰囲気づくりやステータスづくりというだけでなく、販促に多いに利用するとか、店側からの積極的な取り組みが期待される。
夜に行なわれるライブの場合、飲食店やホテル等でのライブが主となるが、小売店やショールーム、などで、ショップが閉まる直前の夕方時間、ラウンジかロビーで30分~40分程度の短いライブを行なえば、ライブ前に買い物や待ち合わせをし、ライブを聴いた後、夜の街へというパターンも定着化し、顧客対策にもなるということである。
料金システムについては、各場所や主催のかたちで違うが、お店主催のライブの場合、無料か、できるだけ低い料金が望ましい。アーティスト謝礼を確保する料金収入だけにとどめ、後の経費は、お店の販促費用でまかなうという姿勢が最低条件であろう。
団塊の世代等の夜の過ごし方に、さまざまな趣向を凝らしたライブを提供するなど、インストアライブはこれから面白い動きになっていくだろう。
以下、ライブ文化活性化に資すると思われるインストアライブのあり方について提案する。

■インストアライブによるライブ文化の発信の提案
~音楽やアートに触れられるスポット増殖計画~
「インストアカルチャーライブ・プロジェクト(仮称)」    
*Shop Meets Culture(smc)
・Shop Meets Music(smm)
・Shop Meets Art(sma)
《内容》
・広島市都心に位置する小売店、飲食店などでのコンサートライブ及び展覧会企画の実施提案と企画のキャンペーン的プロモーション。
《課題》
・プロジェクト参加店舗とアーティストとのマッチングシステムの開発。店舗にとっては顧客サービスあるいは新規顧客の開拓ツールとして活用できるコンテンツの提供。
・鑑賞者へは、プロジェクト共通クーポン券の発行等、特典の付与。
・各インストアカルチャー企画を全体的に告知する共通広報システムの確立.

■ライブハウス活動の現状
ライブハウスについて言うと、一昔前は、ロックやジャズが(ただしロックが圧倒的に多い)演奏され、音楽を楽しむ場所とし一般にイメージされていた。最近では、ロックやジャズも細分化し、またクラシックやワールドミュージック、ヒップポップDJ等、扱うジャンルは幅ひろく、ライブを楽しむお客の年齢層、趣味等の多様化に対応して独自なカラーを打ち出すライブハウスも見られるようになった。ライブハウスも拡散と多様化の時代と言える。
ライブハウス自体の数も増えているという。広島市は、100万人あたりのライブハウス数で、東京都、福岡市、大阪市、神戸市、名古屋市、京都市に続き、全国7位(2007年データ)である。

しかし、お客が増えているとは言いがたい。一般の市民には、先述のように、まだまだその存在が知られていない。ライブハウスに行く習慣がついていない。継続的に行く客が少ないし、お客も2~3年で入れ替わっている場合が多い。少ないパイの取り合いと言え、個々のハウスの経営は結構苦しいと聞く。
ライフハウスに出演するアーティストは、発表会的ライブをするアマチュアバンドから、プロのアーティストまで多様。最近、ライブハウス数も増えたせいか、技量の未熟なアマチュアバンドでも比較的容易にライブハウスのステージ立つことができるようなり、ライブのレベルが落ちたと嘆く経営者もいる。最近、老舗のライブハウスでは、以前と比べ、お客の取れる東京からのアーティストのライブ回数が増え、地元アーティストのライブは減ってきているという。
ライブハウスのシステムは各ハウスによってさまざまだが、多くのライブハウスで、出演ミュージシャンにノルマを課している。そのシステムは「pay to play」(「演奏のための支払い」)である。ハウスバンドを設け、それを売りにしているところもあるが、数は少なく、レンタルホール的な運営が多いのが実態である。またライフハウスが主催し、独自のイベントを打つハウスもあるが、頻度、数ともに少ない。これでは、アーティストも育たないし、独自の音楽ムーブメントを起こすこともできない。
言えることは、先述のように、文化シーンにとって、ライブハウスの活動の現状が、それぞれ点的な活動であり、点と点を結んだ面というか、他所から見て分かりやすいスタイルやムーブメントを形成していないということだ。他の文化シーンでも言えることだが、個々の活動を有機的に関係づけ、構造化する「文化統辞論的装置」が、この街には欠けている。つまりここでも、文化シーンを見える形(都市の一つのスタイルとして)として特徴づけ、売り出し、アピールするイメージ・プロモーション戦略が欠けている。

■ライブ文化を通した広島文化発信の提案
<ライブハウス活性化のための文化統辞論的戦略>
現状を脱するためには、意識的に強化されるべき、推進力のあるムーブメントを起こす必要があるだろう。また、広島市都心部におけるライブ文化開発には、特に、観光客やビジターを意識することが最重要とされる。観光客やビジターにとって、この街で、わざわざライブハウスにいこうとする動機があるだろうか。ミニ東京化したライブを見てもつまらない話である。観光客やビジターは、「他所では観れないもの」が見たいのである。この街「自生・創発」のライブムーブメントがあり、全国的に知れわたること、これが突破口になる。
そのための戦略的な仕掛けとして、強調・特化すべきジャンルによるムーブメントを起こす必要がある。以下は、考えられるライブ文化ムーブメントのジャンルである。

《強調・特化すべきライブ文化ムーブメント》
①広島フォークや広島ロックムーブメントの復活・再生 
⇒ストリートフォークや「おやじバンド」を巻き込み、広島フォーク村伝統の復活
②神楽などローカル芸能の要素を取り入れた新広島ローカル芸能ムーブメント
⇒神楽セッション、神楽寄席、神楽常設館公演など、またこの要素が影響して誕生するクラブシーン等におけるダンススタイル・「EBISU DANSE」とか「UZUME DANSE」など。
③上記①と②が相互に影響し合って生まれるトランスワールドミュージック的なムーブメント
⇒広島地球文化村の誕生

《課題》
●ライブ文化ムーブメントを統辞論的にプロモーションする装置・システムの開発
<アーティストを育てる>
ハウス主催のイベントの活性化、ハウス間のアーティスト・シェア制度、統合的ポータルサイト構築によるアーティスト・プロモーション支援(ライブ情報、ウエブチケットサロン、ブログ、音楽配信等も含む)
<お客を育てる>
割引券等顧客の優遇制度や、ライブ鑑賞共通券等の発行
スポンサーサイト
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。